「おいな唄」唄詞
                                                               南鯖石おいな保存会
出し音頭)
  とれどもつけやらないさどうほうれいか
付け音頭)
  お頼みないやら 音頭はとれども つけやらぬ
上げ音頭)
  つけやらないさ どうほうれいか
   
01. 明けたよ夜が明けた サ 寺の 鐘打つ坊さんお前のおかげで夜が明けた 夜が明けた サ どうほうれいか
   
02. ちらりと箒星 サ 空に うす雲はいたよさてまた夜明けの流れ星 流れ星 サ どうほうれいか
   
03. 盆買いしてもろた サ 何を 晒しの手拭真鍮のかんざし 買てもろた 買てもろた サ どうほうれいか
   
04. 若い時やどどかせげ サ 死ねば 極楽浄土の蓮華の台座に のりうつる のりうつる サ どうほうれいか
   
05. 砂田の水口田 サ しかと とめてまわれどあとからどんどと ほれてきゃる ほれてきゃる サ どうほうれいか
   
06. 寺の提灯(七夕)よくできた サ おらも あつらえましょうかこしろてもろうか 吉五郎庄 吉五郎庄 サ どうほうれいか
   
07. 四、五年やめたけど サ 今年しゃ 若い衆に頼まれ今年の音頭はわしがとる わしがとる サ どうほうれいか
   
08. ご意見中だい サ かみを 島田を結うより心を島田に しゃんともて しゃんともて サ どうほうれいか
   
09. 十七、八は嫁ごろだ サ いつか 御祝言すませて お茶でものんだら なおよかろう なおよかろう サ どうほうれいか
   
10. 天作算だ サ けいたを しけたはなせば角田本田白根ぶん 白根ぶん サ どうほうれいか
   
11. お山でよし刈れば サ よしが 刈れそで刈れないそのよしおかげで 御相談だ 御相談だ サ どうほうれいか
   
12. お山にまいると(て) サ 手には 杖とりつま待ち それでもお山が かけらりょか かけらりょか サ どうほうれいか
   
13. 隣から団子もろた サ きなこきなこがたりぬで大きに旦那の 腹立ちだ 腹立ちだ サ どうほうれいか
   
14. 茂さ(出家さ)酒呑めば サ 茂さ(出家さ) 茂さ(出家さ)が五合(一升)呑んで 
                                私が一升(五合)呑んで酔うた酔うた 酔うた酔うた サ どうほうれいか
   
15. 思うこと(思わく)絵にかけば サ 一丈 一丈の紙でも(にも)二丈の紙でも(にも) 書きあまる 書きあまる サ どうほうれいか
     
16. 後家さん寺詣り サ 手には 手には数珠かけたもとに 玉章恋の文 恋の文 サ どうほうれいか
     
17. 船頭さん(舟人衆)の染浴衣 サ 肩に 肩には大船 裾には碇の紋じるし 紋じるし サ どうほうれいか
   
18. 盆だと待っていた サ 踊り 踊りもしないでおしょうらい立たせて 今くやし 今くやし サ どうほうれいか
   
19. 蚕に桑の葉だ サ しかと 目かけてはなすな枝をばたごめて 葉をこきゃれ 葉をこきゃれ サ どうほうれいか
   
20. 若い衆とかぼちゃづる サ 人の 軒場にはいずり一つもなかろと からみつく からみつく サ どうほうれいか
   
21. 孕んだが おらなしょうしやら サ そばや そばやのじさんが からみにするとて おろさせた おろさせた サ どうほうれいか
   
22. 盆の十五日に サ 踊り 踊らぬ人は日蓮尊者の 意にそむく 意にそむく サ どうほうれいか


「おいな」音頭の特徴
笛・太鼓などの鳴りものを一切用いない。
  • 出し音頭 男性一人
  • 付け音頭 何人かの女性
  • 上げ音頭 男女合わせて五・六人
この三段階でくり返し唄われる。
音頭とり10人くらいが列を作り、歩きながら、やぐらのまわりを廻り音頭をとる。
その外側を踊り手が輪で囲み踊る。