ウラシマソウ1

    
ウラシマソウ 
(サトイモ科)

 変わった花をつけるため人気が二分し、気味悪がる人と面白がる人とがある。
 花姿は見ようによっては蛇が鎌首をあげた状態にも思えるけれど、その鎌首部分は花の苞でその中に花の軸があり、軸の先は長く伸びて苞の開口部から後ろ側に円弧を画いて垂れ下がっている。その糸状に伸びた様子が浦島太郎が釣り糸を振っている姿と見たのだから命名者の想像を絶する表現力に敬意を表するしかない。秋深い夕暮れに、この朱色がかった赤い集果に出会ってドキッとした思い出がある。