ナツエビネ 
(ラン科)

 緑の濃い湿気の強い林の中に生えるこの海老根は夏に花をつける。夏に咲くからナツエビネの名がついた。
 葉の出方は他のエビネと同じように根元から数枚出て長さ三十a位である。球状の根茎から三、四十aの花茎を立て、その先に淡い紅紫の美しくもやさしい花を、十個位、穂状につけて咲く。
 知人の家を訪ねたとき、玄関で鉢植えのこの花を見た。
 生まれて初めて見たせいもあって、印象が強く、今でも好きな花の一つである。