ミツガシワ 
(リンドウ科)

 雪国植物園の浅い池で繁殖して地面を覆うくらいに広がっている。この葉は厚くてつやのある三枚の小葉からなって、その形が紋章の三つ柏に似ているところから名がついた。
 四月の後半になると、葉と共に三十aくらいの花茎を伸ばし、小さな白い花を穂状に十数個つける。その白い花は花冠が深く五裂し、縮れた白い毛が裂片の内面に密生していて美しい。
 氷河期の生き残りであると聞かされて、大事にしたいと思ったが、実は想像以上にたくましいのである。