クロバナヒキオコシ 
(シソ科)

 日本海側植物で山地に生える多年草。四角の稜を持ち、草丈一.五b位の茎を株立たせて群れている。たくましい種類だ。
 秋になると細い柄の先に小さな黒紫色の唇形の花を多数つける。この黒に近い紫の花色からクロバナの名がついたのだが、ヒキオコシの意味は病に倒れた人を引き起こすほどの薬効があるからだと言う。「延命草」と呼ばれて苦味健胃薬として以前全国に販売されたそうである。
 逆光の中で見たこの花の美しさは忘れられない。