イボクサ 
(ツユクサ科)

 雪国植物園内の湿地で、生まれて始めてこの花を見た。草名はわからなかったが小さな三枚の花びらの先だけがほんのりと淡いピンク色に染まっていて可愛い花もあるものだと、うちに帰って図鑑で調べて見た。
 花に申し訳ないような野暮な名前だった。この草の汁をイボにつけて取る「イボトリクサ」の意味で、その薬効性を強調しての命名だから、まあ誉められたものと納得した。この花も露草と同じ一日花のはかない命である。